内科・小児科・アレルギー科・リハビリテーション科
吉川内科小児科 生薬方剤による漢方診療(保険適用)

吉川内科小児科は、愛知県名古屋市中村区、名古屋市立豊臣小学校の西にある内科小児科医院です。
高血圧や、肥満などメタボリックシンドローム、リセット禁煙、漢方診療(保険適用)を中心に
内科・小児科・アレルギー科・リハビリテーション科の診療をしています。お気軽にご相談ください。

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吉川内科小児科 生薬方剤による漢方診療(保険適用)

吉川内科小児科は、愛知県名古屋市中村区、名古屋市立豊臣小学校の西にある内科小児科医院です。高血圧や、肥満などメタボリックシンドローム、リセット禁煙、漢方診療(保険適用)を中心に内科・小児科・アレルギー科・リハビリテーション科の診療をしています。お気軽にご相談ください。

徒然日記

読み書きの死は文明の死

はっきり国語力がつく 工藤順一 講談社現代新書
(1999年9月第一刷発行)

 読み書きをめぐってアンバランスなのは、読みと書きとの間にだけあるものではありません。次のようなさまざまな今日的社会現象に影を落としているようにも私には見えてきます。
世界でもまれなくらいの識字率の達成という基礎があるのに、世界的にこの国の現在の文化はこの国の伝統文化ほど評価はされていません。それは、まさしく植民地文化の様相を示しています。あるいは、日本の17歳の青少年には世界でも有数の学力があるでしょうが、それを引き受ける日本の大学は、世界レベルではありません。この国の経済はこれほどの不況にもかかわらず世界第2位なのですが、世界的なリーダーは、政治・経済・文化のどの分野をとってみても存在していません。これらのアンバランスは日本語という孤立した言語にも一因があるかもしれませんが、それによって文化・文明を作っていくという運用的側面――ソフトウェアにもよります。
もちろん、これらの問題は、子どもの読み書きというこの本のテーマを越えてしまう大問題です。しかし、文化・文明の発達の根底に読み書き教育とその発展があると認識するとき、逆に子どもの問題を子どもだけに閉じこめておくことはできないことも私たちは知るべきではないでしょうか。子どもの読み書きの問題は、大人の次元では教養の問題に発展するはずです。この国では文盲ということばとともに、教養ということばもまた死語になりつつあるのです。これはいったいどういう逆説なのでしょうか。子どもと大人に共通していったい何が起こっているのでしょうか。
確かだと思われるのは、日常生活で不自由しない程度にひととおりの文字の読み書きはだれもができる社会であるということでしょう。でも、少しでもそれを生かして、読んだものをさらに考えて深めていったり、あるいは自分の考えを表明したり、より深いものを読んでいこうというとき――すなわち、読み書きを中心とした自分の実人生のありようとか、この国の文化・文明のありようについて考えるとき、うすら寒いものを覚えてしまうのは私だけではないはずです。実人生とか実生活とかがシリアスに関わらない読み書きとはいったい何なのでしょうか。また、なぜこのようなことが起こるのでしょうか。学校でも社会でもおそらくは同じことが原因のはずです。
この数年引き起こされている少年による凶悪犯罪、あるいは少女売春、そして1998年の終わりごろから新聞紙上で報道されている学級崩壊という小学校低学年での驚愕するような事態に、人が人であることの根幹を形成している読み書き教育の現状はなんら関係がないものでしょうか。人が人を殺すことは悪いことであるという文化・文明の根底をなすことに、読み書きは関係していないのでしょうか。
バリー・サンダースは『本が死ぬところ暴力が生まれる――電子メディア時代における人間性の崩壊』(新曜社)という本で、アメリカの青少年に暴力が生まれている現状を「本が死ぬところ」と警告しています。アメリカは日本とはかなり事情が違う社会なのですが、現在、その違いも無視して、学校教育には、アメリカに遅れるな、見習えということで急速に電子メディア――コンピューターが導入されつつあります。本という電子メディアの前身ですらかくもままならないのに、これもまた一つのアンバランスでしょう。