内科・小児科・アレルギー科・リハビリテーション科
吉川内科小児科 生薬方剤による漢方診療(保険適用)

吉川内科小児科は、愛知県名古屋市中村区、名古屋市立豊臣小学校の西にある内科小児科医院です。
高血圧や、肥満などメタボリックシンドローム、リセット禁煙、漢方診療(保険適用)を中心に
内科・小児科・アレルギー科・リハビリテーション科の診療をしています。お気軽にご相談ください。

各種
保険取扱

吉川内科小児科 生薬方剤による漢方診療(保険適用)

吉川内科小児科は、愛知県名古屋市中村区、名古屋市立豊臣小学校の西にある内科小児科医院です。高血圧や、肥満などメタボリックシンドローム、リセット禁煙、漢方診療(保険適用)を中心に内科・小児科・アレルギー科・リハビリテーション科の診療をしています。お気軽にご相談ください。

徒然日記

授業

オムニバス

  • 模範解答

吉行理恵の『記憶のなかに』を読んだのは、もう40年以上前になる。だが、次のところは、今も鮮やかに覚えている。小学校でのことだ。

 

先生が質問します。

「上品な色とは、どんな色ですか」

「灰色です」

私は答えます。

「へえ 灰色が上品な色ですかね 鼠(ねずみ)のからだの色ですよ」

と先生は幅の広い肩をすぼめます。すると、教室が笑いの箱に変わってしまいます。

――ここから逃げだしてしまいたい、とおもいながら、私は唇を噛(か)んで、俯(うつむ)いています。

これは、吉行淳之介、和子の妹であり、後に芥川賞を受ける理恵の心に残る、忘れることの出来ない何本かのとげのひとつだ。

灰色を上品と思うのは、頷ける。この文章には、一方の先生の心の動きは書かれていない。しかし、推測することは出来る。おそらく、先生の頭の中には、

上品な色=紫

という、模範解答があったのではないか。

「別解こそ授業の宝だ」という先生は何人もいる。その通りなのだが、全ての教員にそれを求めることは難しい。そしてまた、授業時間も限られている。模範解答が頭にある時、先生はどうしても「急いで」しまうのだ。

1足す1は2――という場合もあるが、そうでない時もある。今、世の中全体が、「せっかち」になっている。そのことの怖さを思う。

                                  北村 薫

  • 正誤より大切なこと

8月も下旬に入り、塾の夏期講習もまもなく終わる。普段の生徒に加えて夏期講習だけに参加する生徒も多いので、通常の授業とはちょっと勝手が違うところもある。

短期間だけ共に学ぶ講習生には、まず「何を学んでほしいのか」を理解してもらう。私の場合、受験学年以外を教えるときは、正解か不正解かはこだわらない。それよりも、問題の意図をきちんと理解し解法に至るプロセスを重視する。

「ここに注目することで必然的にこの解法になるよね」というポイントを伝えることに力を注ぐのだ。

しかし、この夏初めて私の授業を取った高校1年生のA男には、とうとうこの意図が伝わらないまま終わってしまった。教室の1番前のど真ん中の席に陣取ったA男は数学が得意なのであろう、解答速度も速く正解を出していた。ただ、その「解法」にはちょっと首をかしげるときもあった。

最も困ったのが、正解するとこちらの話を聞かず、他の問題を解き始めることだった。「A男、授業を受けるというのは解説を聞くのが一番大切なところでしょ。そういう学習姿勢は改めなくてはダメだよ」とかなり厳しめに注意した。

それ以降、解説を聞くようにはなったのだが、注意されたから聞いているだけで、そこから「何かを得たい」「得てやろう」という姿勢は見えない。A男にとって気になるのは、正解か不正解かだけなのだ。正解のときは「これでもか!」という大きな音を立てて丸をつけ、不正解のときは他の生徒はどうだったのかときょろきょろあたりを見回す。認めてもらいたいだけの幼い態度だった。

入試に向けて学習を進めていくにつれ問題の難易度も上がり、パッと見ただけでは解法が浮かばないことが普通になってくる。そうなったときに、A男のような学習姿勢では太刀打ちできないのは明らかなのだが、5日間でそれを気づかせることができなかった。いつか、どこかで気づいてくれればよいのだが・・・・・。

                                 橋

  • 嫌いになる作法

子どものころ、大人から「みんなと仲良くしなさい」と言われました。大人になってから、それは子どもを管理するための方便だと知りました。実際は、みんなが仲良くすることはできません。人は人を嫌いになるものです。

人を嫌いになるにも作法があると思います。1つは「その人以上のものを嫌いにならないこと」。世の中には、自分がその人を嫌いだということを正当化するため、その人の持つ属性ごと否定する人がいます。「これだから女は」「これだから○○人は」といった具合にです。でも嫌いになる理由は、すれ違いであったり自分の好みに由来するものであったりとさまざまです。無理に正当化しようとすれば、主語が大きくなり、ひいては差別やヘイトスピーチにつながります。

誰かを嫌いになった時は、その人の事「だけ」嫌いになればいいのです。それから「他人にその人を嫌いになってもらおうと求めない」ことです。自分が嫌いな人のことを他の人も嫌いだと、ほっとするでしょう。でも、悪口や嫌なうわさを流してまで、その人のことを「嫌いにさせよう」とすると、かえって自分の評判を落とします。

嫌な人と適切に距離をとる手段を身に付けること。道徳の授業では教えてくれませんが、それが大人になる大事な一歩だと思うのです。

                              荻上(おぎうえ) チキ