内科・小児科・アレルギー科・リハビリテーション科
吉川内科小児科 生薬方剤による漢方診療(保険適用)

吉川内科小児科は、愛知県名古屋市中村区、名古屋市立豊臣小学校の西にある内科小児科医院です。
高血圧や、肥満などメタボリックシンドローム、リセット禁煙、漢方診療(保険適用)を中心に
内科・小児科・アレルギー科・リハビリテーション科の診療をしています。お気軽にご相談ください。

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吉川内科小児科 生薬方剤による漢方診療(保険適用)

吉川内科小児科は、愛知県名古屋市中村区、名古屋市立豊臣小学校の西にある内科小児科医院です。高血圧や、肥満などメタボリックシンドローム、リセット禁煙、漢方診療(保険適用)を中心に内科・小児科・アレルギー科・リハビリテーション科の診療をしています。お気軽にご相談ください。

徒然日記

負の力 良寛禅師の「慈顔」

            人間的魅力の研究  伊藤 肇  日経ビジネス文庫

 

呂新吾が「第一ノ美質」とする「厚重深沈」とか「深沈厚重」とかは、いったい、どんな魅力なのだろうか。

まっさきに思い出すのは良寛である。良寛は一生を乞食(こつじき)雲水(うんすい)の境涯に終始した。

もともと良寛は曹洞の禅者だったが、決して他宗の悪口をいわぬばかりか、進んで他力本願の歌を詠んだり、平気で日蓮信者の家でもお経をあげた。それでいながら、良寛が慈顔をみせるところ、おのずから、人を感化してしまった。

『良寛禅師奇話』には「師、平生(へいぜい)、喜怒、色ヲナサズ。疾言(早口)スルヲ聞カズ、ソノ飲食(おんじき)起居(ききよ)、舒(ゆるやか)ニシテ愚ナルガ如シ」といい、「師、音吐朗暢、読経、声、心耳(心の奥底)ニ徹シ、聴者オノズカラ信ヲ発ス」と結んでいる。

こんなことがあった。良寛の生家の相続人、馬之助……これは良寛の弟の由之(ゆうし)の子で良寛にとっては甥にあたる。その馬之助が放蕩に身をもちくずしたために、その母に泣きつかれて、意見をしにでかけた。

良寛は三日三晩、逗留したが、いっこうにお説教をしない。とうとう、そのまま、いとまをつげることになってしまった。そのたちぎわに良寛は馬之助をよんで「すまぬが、わらじの紐を結んでたもれ」といった。母親は、″きっと、ここで厳しく訓戒して下さるのだろう〟と、大いに期待して、衝立(ついたて)のかげから様子をうかがっていた。

また、馬之助は馬之助で、″今日に限って妙なことを仰せられる〟と思ったが、とにかく、いいつけられた通り、わらじの紐を結んでさしあげた。すると、その襟もとに冷たいものがポトリと落ちた。馬之助がびっくりして見上げると、良寛が目をしばたいてみつめている。馬之助はハッと感じ入った。

良寛は、やおら身を起こすと、無言のままたち去った。『良寛禅師奇話』の著者である解(け)良(ら)栄(よし)重(しげ)は、そんな良寛の風格を次のように活写している。

「師、余が家に信宿(二晩泊まり)、日を重ぬ。上下おのづから和睦し、和気、家に充ち、帰り去るといえども、数日のうち、人おのづから和す。師と語ること一たびすれば、胸襟清きを学ぶ。師、さらに内外の経文を説き、善を勧むるにもあらず、あるいは厨下(ちゅうか)(台所)につきて火を焚き、あるいは正堂(座敷)に座禅す。その話、詩文にわたらず、道義に及ばず、優游(ゆうゆう)として名状(めいじょう)すべきなし。ただ道義の、人を化するのみ。」

良寛のこの魅力は、どこからきているのだろうか。