内科・小児科・アレルギー科・リハビリテーション科
吉川内科小児科 生薬方剤による漢方診療(保険適用)

吉川内科小児科は、愛知県名古屋市中村区、名古屋市立豊臣小学校の西にある内科小児科医院です。
高血圧や、肥満などメタボリックシンドローム、リセット禁煙、漢方診療(保険適用)を中心に
内科・小児科・アレルギー科・リハビリテーション科の診療をしています。お気軽にご相談ください。

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吉川内科小児科 生薬方剤による漢方診療(保険適用)

吉川内科小児科は、愛知県名古屋市中村区、名古屋市立豊臣小学校の西にある内科小児科医院です。高血圧や、肥満などメタボリックシンドローム、リセット禁煙、漢方診療(保険適用)を中心に内科・小児科・アレルギー科・リハビリテーション科の診療をしています。お気軽にご相談ください。

徒然日記

孤独 捨

片隅の幸福

種田山頭火 「愚を守る」初版本 昭和16年

(原文ルビなし、今すべてのルビをふる)

  大の字に寝て涼しさよ淋しさよ

一茶の句である。いつごろの作であるかは、手もとに参考書が1冊もないから解(わか)らないけれど、多分放浪時代の句であろうと思う。とにかくそのつもりで筆をすすめてゆく。

――

一茶は不幸な人間であった。幼にして慈母を失い、継母に虐(いじ)められ、東漂(とうひょう)西泊(せいはく)するより外はなかった。彼は幸か不幸か俳人であった。恐らくは俳句を作るより外には能力のない彼であったろう。彼は句を作った。悲しみも歓(よろこ)びも憤(いきどお)りも、すべてを俳句として表現した。彼の句が人間臭ふんぷん(・・・・)たる所以である。煩悩(ぼんのう)無尽(むじん)、煩悩そのものが彼の句となったのである。

しかし、この句には彼独特の反感と皮肉がなくて、のんびり(・・・・)としてそしてしんみり(・・・・)としたものがある。

大(・)の(・)字(・)に(・)寝て(・・)涼しさ(・・・)よ(・)――はさすがに一茶的である。いつもの一茶が出ているが、つづけて、淋しさ(・・・)よ(・)――とうたったところに、ひねくれていない正直な、すなおな一茶の涙が滲(にじ)んでいるではないか。

彼が我儘(わがまま)気儘(きまま)に寝転(ねころ)んだのはどこであったろう。居候(いそうろう)していた家の別間か、道中の安宿か、それとも途上の木蔭(こかげ)か、彼はそこでしみじみ人間の幸不幸運不運を考えたのであろう。切っても切れない、断とうとしても断てない執着の絆を思い、孤独地獄の苦悩を痛感したのであろう。

所詮(しょせん)、人は人の中である。孤立は許されない。怨(うら)み罵(ののし)りつつも人と人とは離れがたいのである。人は人を恋う。愛しても愛さなくても、家を持たずにはいられないのである。みだりに放浪とか孤独とかいうなかれ!

一茶の作品は極(きわ)めて無造作に投げ出したようであるが、その底に潜(ひそ)んでいる苦労は恐らく作家でなければ味読(みどく)することが出来まい(勿論、芭蕉ほど彫心鏤骨(ちょうしんるこつ)ではないが)。

いうまでもなく、一茶には芭蕉的の深さはない。蕪村的な美しさもない。しかし彼には一茶の鋭さがあり、一茶的な飄逸味(ひょういつみ)がある。

私は一茶の句を読むと多少憂鬱(ゆううつ)になるが、同時にまた、いわば片隅の幸福を感じて、駄作(ださく)一句を加えたくなった。――

ひとり住めばあをあをとして草