内科・小児科・アレルギー科・リハビリテーション科
吉川内科小児科 生薬方剤による漢方診療(保険適用)

吉川内科小児科は、愛知県名古屋市中村区、名古屋市立豊臣小学校の西にある内科小児科医院です。
高血圧や、肥満などメタボリックシンドローム、リセット禁煙、漢方診療(保険適用)を中心に
内科・小児科・アレルギー科・リハビリテーション科の診療をしています。お気軽にご相談ください。

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吉川内科小児科 生薬方剤による漢方診療(保険適用)

吉川内科小児科は、愛知県名古屋市中村区、名古屋市立豊臣小学校の西にある内科小児科医院です。高血圧や、肥満などメタボリックシンドローム、リセット禁煙、漢方診療(保険適用)を中心に内科・小児科・アレルギー科・リハビリテーション科の診療をしています。お気軽にご相談ください。

徒然日記

和せず頑張らず生きる

~池田清彦さんに聞く~
                                  大久保 潤
「がんばらない生き方」。これが意外に難しい。

 生きることがちょっとラクになる。生物学者、池田清彦さん(69)の本を読むとそんな気分になれる。これまでに書いた本は70冊超。そのうち半分は社会論や生き方論である。勧めるのは他人に共感しない能力と他人と深く関わらない生き方だ。
 「がんばらないと人並みの生活ができないかのような〝時代の空気〟があります。書店に行けば自分磨きのハウツー本であふれています。『やればできる』とか『人間はみんな平等だ』という幻想が多くの人を息苦しくしているようです。例えば、統合失調症の人には孤独に強く、人と付き合わなくても全然苦にならない人がいます。そんな生き方も悪くないと思います」
 「がんばっても老化に伴う大概の病気は治りません。その意味では、一番健康に悪いのは長生きです。好きなことをして、うまい酒を飲んで、適当なところでジタバタせずに死んだ方が幸せなこともあるのです」
 「人間にはミラーニューロンという他者に共感するのに重要な神経細胞があり、共感し同調しやすい心理が働きます。やっかいなのは、共感や愛が深いほど、排斥や憎しみも深くなることがある点です。愛と憎しみをコントロールする場所が、脳の扁桃体の近い所にあるからだと思われます。例えば、『誰でも愛そう』と共感を強要されるほど、裏切られた時には『殺したい』といった極端な感情が生まれやすいのです」
 「他人を理解できなくてもいいのです。『君子の交わりは淡きこと水のごとし』と言いますね。共感し合えなくても友達になれます。人間本来の性質に逆行するので難しいのですが、『私には理解不能だけど、まあそういう人もいるよね』ぐらいのおおらかな心持ちになれたら平和な世の中になると思います」
 東日本大震災以降、広まった「絆」。池田さんはこの言葉を嫌う。絆とともに「一つになろう日本」が合言葉になった。池田さんは復興について書いた本の帯に「一つになるな日本」と挑発的に書いた。その真意は。
 「熊本地震の時もそうでしたが、一丸となって応援しないやつは人でなしだという嫌な空気がありました。応援の仕方は色々なのに、同じ方向でやらないと『一つの日本』から外れる。自分が一生懸命やっていることをどうしても他人に押しつけたいという人は多い。でも、強要された支援は長続きしません」
 「被災者を支援するのも老人に席を譲るのも他人に強要することではありません。一方で、他人に愛されたり優しくされたりする権利は誰も持たない。絆という言葉を持ち出して、特定の価値観や道徳を押しつけることはやめた方がいいですね」

マイノリティーと多様性の尊重は、とても重要

 「誰かに何かをしてあげるのは長期的に見て見返りを期待するからだ、という考え方を生物学では互恵的利他主義と言います。情けは人のためならず、ということです。マイノリティーへの対応もこの考え方が当てはまります。今はマジョリティーの人もいつマイノリティーになるかわかりません。例えば、事故で足を失えば、少数派の障害者になります。その時、障害者に優しい社会であった方が自分にとって都合がいい」
 「多様性についても同じです。大学でも企業でも上司の言うことを忖度(そんたく)して同調する人が最近増えています。しかし、環境の変化がある時は、多様性のない集団はリスクが高くなる。日本は地震や巨大噴火が起きる自然災害の危険性が高い。移民も含めて多様性があればそれだけ生き残る可能性が大きくなる。こんなに狭い地震大国に、1億人以上の人間が暮らしているのですから、セキュリティーについては真面目に考えておいた方がいいと思います」
 池田さんは「日本で最も過激なリバタリアン」を自認している。「車も来ないのに赤信号で待っている人はバカである」「ボランティアはしない方が格好いい」――。発言は時にトゲがある。しかし、決して奇をてらっているわけではない。ルールや道徳についてのわかりやすい考え方が、その言葉には反映されている。
 「他人から見れば堕落しているように見えようが、人には朝から酒を飲んでダラダラと生きる自由があります。人は他人に迷惑をかけない限り、何をしてもいい。国は個人の自由に干渉しない。これがリバタリアニズム(完全自由主義)の基本です」
 「交通ルールは事故を減らすためにあります。しかし、ルールを守らせること自体を、人々に強制する装置になることがあります。車の影さえ見えない田舎の横断歩道でじっと青になるのを待つ人は国に従順な人でしょうが、信号無視の車にはねられるリスクが高い人かもしれません。車が赤信号で止まる保証はない。身を守るためにはルールよりも目の前の状況を信用した方が僕はいいと思います」
 「ボランティアにも同じことが言えます。楽しくてやるのは自由ですが、ボランティアは良いことだ、という国や世間の宣伝に乗せられてやりたくもないのにやるのは下品です。本当に他人に喜んでもらいたいと思っている人は、お金をもらって働くのが一番いいのです」