内科・小児科・アレルギー科・リハビリテーション科
吉川内科小児科 生薬方剤による漢方診療(保険適用)

吉川内科小児科は、愛知県名古屋市中村区、名古屋市立豊臣小学校の西にある内科小児科医院です。
高血圧や、肥満などメタボリックシンドローム、リセット禁煙、漢方診療(保険適用)を中心に
内科・小児科・アレルギー科・リハビリテーション科の診療をしています。お気軽にご相談ください。

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保険取扱

吉川内科小児科 生薬方剤による漢方診療(保険適用)

吉川内科小児科は、愛知県名古屋市中村区、名古屋市立豊臣小学校の西にある内科小児科医院です。高血圧や、肥満などメタボリックシンドローム、リセット禁煙、漢方診療(保険適用)を中心に内科・小児科・アレルギー科・リハビリテーション科の診療をしています。お気軽にご相談ください。

徒然日記

ダイバーシティ 

一人ひとりの価値

Ⅳ 見えるもの・見えないもの

 養老孟司さんとせいめいのはなし          福岡 伸一  新潮文庫

養老 自分ひとりで遊んでりゃいい。メールは確かに便利だけど、ネットであそこまで悪口が発展するっていうのは、それほどみんなたまっているということでしょう。ほかで発散できないんじゃないか。そりゃ、あたり前ですよ。こんなに合理化しちゃったら仕事がなくなってしまう。半端(はんぱ)な仕事がない。そこにいるその人をどうするかを考えないで、各部門を合理化して、その結果人が要らなくなるんだから。

福岡 そうですよね。安易な「効率化」も同じです。

養老 そう。全体の合理性を失ってしまう。部門ごとの合理性を追求していったら、全体としてイヤなことになる。失業者ばかりになって困りますよ。ぼくが大学にいるときそうでした。「あいつは困るから、どうしてもクビにしろ」というのに対して、「あんなのを社会に出したら、社会の負担になるだろう。もうここに長年いるんだから」「ここにおいておけば皆わかってるんだから」って(笑)。そうでしょ。社会的なコストを考えたら、ずっといたところにいるほうが、まだましなんです。

福岡 だましだましやっていくしかない。でも、「だましだましやる」ということができなくなっていますね。

養老 白黒つけたがる。それが今の「経営」ですよ。単調な社会をつくった結果でしょう。それこそ生物多様性もなにもない。天気も変わらなきゃ、気温も変わらない、風も吹かないところに1日中いて、インターネットを見ていたらおかしくもなります。その、おかしくなるということ自体に気がつかないというおかしさだから、耐えられるはずがない。

体のことだから、なかなか意識に上がらないんです。「具合が悪い」とか「腹が立つ」とか「イライラする」とか結果だけ出てくる。昔は、それを解消する方法を知っていたし、場所もあったんだけど、いまはない。解消できるような隙間(すきま)がありません。知り合いの30代の人が言っていたんだけど、都内で1人暮らししていた同世代が何人も、近郊の実家に戻って2時間かけて通勤しているんだって。そりゃあそうでしょう。疲れちゃったんでしょう。だけど、そういう疲れた人は田んぼに放りだしゃいいんです。

福岡 ストレスとは本来、外から来るものではなく身体内部が発するSOS信号ですからね。

養老 だから、ラオスへ行っても、ブータンへ行ってもホッとするんです。人が少ないから。結局、1人ひとりの価値が高い。満員電車に乗っていたら、自分がいなくなっても、世の中変わらないと感じてしまうのは、ある意味で当たり前です。

そういえば、ブータンで雨季に山道を走っていたら、道そのものが崩れて流されちゃっているところが何箇所かあったんですよ。人が車ごと流されたときに、後続の車が「ああ!」って叫んでお祈りをしている。「昨日は、ここで5人が車ごと流されてしまいました」と沈痛な表情で言うから、「じゃあ、この雨がやんだら探すんですか」って聞くと「無理です。だから祈っているんです」。祈るだけでその後どうこうする気配がない。「これから人を出して探すのか?」と聞いても、「探しません」「無理です」って言って終わり。「探さないんだ、やっぱり」ってこちらは納得。人が流れたら、お祈りをする。

福岡 車が流されて、亡(な)くなった方のためにすることはお祈りだけなんですね。

―後略―