内科・小児科・アレルギー科・リハビリテーション科
吉川内科小児科 生薬方剤による漢方診療(保険適用)

吉川内科小児科は、愛知県名古屋市中村区、名古屋市立豊臣小学校の西にある内科小児科医院です。
高血圧や、肥満などメタボリックシンドローム、リセット禁煙、漢方診療(保険適用)を中心に
内科・小児科・アレルギー科・リハビリテーション科の診療をしています。お気軽にご相談ください。

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吉川内科小児科 生薬方剤による漢方診療(保険適用)

吉川内科小児科は、愛知県名古屋市中村区、名古屋市立豊臣小学校の西にある内科小児科医院です。高血圧や、肥満などメタボリックシンドローム、リセット禁煙、漢方診療(保険適用)を中心に内科・小児科・アレルギー科・リハビリテーション科の診療をしています。お気軽にご相談ください。

徒然日記

セミの幸せはどこに?幼い反発心が支えに

重松 清 (作家)

 

何事につけても屁(へ)理屈をこねる少年がいた。「昭和」の頃の話である。

たとえば小学3年生の時に聞いたセミの一生について。担任の先生が話してくれた「セミは何年も暗い土の中で暮らして、やっと地上に出てきたのに、ほんの1週間ほどで死んでしまいます。だからセミは、短い幸せの時間に一生懸命に鳴いているのよ」という説明に、少年はどうしても納得がいかず、隣の席の友人に小声で話しかけた。

「土の中よりも地上のほうが幸せって、なんで人間にわかるんだ?セミにとっては暑い真夏に外に出されるほうが嫌かもしれないだろ」

もしかしたら、セミにとって地上で過ごす数日間は、一生の最後に待ち受ける艱難(かんなん)辛苦なのかもしれない。おなじみの「ミーン、ミーン」も、じつは翻訳すると「あー、暑い、嫌だ嫌だ、涼しい土の中のほうがよかったなあ」なのかも…。

なんてことをしゃべっていると、先生に「屁理屈言わないの!」と叱られてしまった。

そんな苦い思い出が、少年にはたくさんある。おとなたちに「口答えをするな」と「屁理屈を言うな」を言われてきた回数は、世間一般の平均よりずっと多かったはずだ。

それでも、少年は自分自身がおとなになったいま、そんな性格に「しょうがないなあ」と呆(あき)れながらも、悪い気分ではない。地上のほうが土の中よりも幸せだと決めつけることに「ホントにそうなのか?」と首をかしげた幼い反発心は、おとなの自分を支える根っこになっているはずだから。

少年はいま小説を書いている。筆名は重松清。土の中にいた頃のセミにも幸せはあったんじゃないか、という類いのお話を好んで書く作家である。

でも、やっぱり、嫌な子どもでしたね、うん。