内科・小児科・アレルギー科・リハビリテーション科
吉川内科小児科 生薬方剤による漢方診療(保険適用)

吉川内科小児科は、愛知県名古屋市中村区、名古屋市立豊臣小学校の西にある内科小児科医院です。
高血圧や、肥満などメタボリックシンドローム、リセット禁煙、漢方診療(保険適用)を中心に
内科・小児科・アレルギー科・リハビリテーション科の診療をしています。お気軽にご相談ください。

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吉川内科小児科 生薬方剤による漢方診療(保険適用)

吉川内科小児科は、愛知県名古屋市中村区、名古屋市立豊臣小学校の西にある内科小児科医院です。高血圧や、肥満などメタボリックシンドローム、リセット禁煙、漢方診療(保険適用)を中心に内科・小児科・アレルギー科・リハビリテーション科の診療をしています。お気軽にご相談ください。

徒然日記

こんにゃく問答

ふしぎなことば ことばのふしぎ  池上 嘉彦 筑摩書房
 ある田舎(いなか)のお寺のお坊さんのところへ一人旅の僧から、問答をしに行くからよろしくという手紙がきました。ところがこのお坊さんはこれまで問答などというものはしたことがなく、どうしたものかと困りはてていました。そこへこのお寺の門前のこんにゃく屋の主人がやってきて、その話を聞き、そんなことなら、この私がおしょうさんの代わりになって相手をしてみましょうと言いました。
 こんにゃく屋の主人がおしょうさんの着物を着て座(すわ)っていますと、その旅の僧(そう)がいばってやってきて、無言の問答を始めました。旅の僧はまず両手の親指と人差し指とで小さな丸を作ります。すると、こんにゃく屋の主人は両方の腕(うで)で大きな円を作って見せました。次に旅の僧が右手の三本の指を突(つ)き出しますと、こんにゃく屋の主人は右手の五本の指を広げて見せます。さいごに、旅の僧が右手の四本の指を突き出しますと、こんにゃく屋の主人はあかんべえをしてみせます。旅の僧は、これはたいへん偉(えら)いお坊(ぼう)さんだと思いました。お日さまのつもりで丸を示したら、お月さまと答える。三千世界(さんぜんせかい)(つまり、この大宇宙)は、と問えば、五戒(ごかい)(仏教でいう、してはならない五つのいましめ)で保たれる、と答える。さらに、四(し)恩(おん)(人が受ける四つの恩)はどこに、と問えば、眼(め)の下にありと答える。これはとてもかなわない、と思って旅の僧はあわてて逃(に)げて行きました。
 こんにゃく屋の主人は、奥(おく)で隠(かく)れていたおしょうさんのところへ行って、「問答なんてつまらないものだ。僧(そう)がおまえのところのこんにゃくはこんなに小さいのだろうと聞いてきたので、わしは、いや、こんなに大きいぞと言ってやった。そしたら、値段は一つ三文(さんもん)かと問うてきたので、いや、五文だと答えてやった、するとそれを四文にまけろというものだから、あかんべえをしてやった。そしたら逃(に)げて行ったよ」と言ったということです。
 この「こんにゃく問答」というお話は、ことばの問題についても、いろいろと考えさせてくれます。お坊(ぼう)さんと旅の僧は、ことばでなく、身振(みぶ)りで問答をしました。そして同じ身振りを二人でそれぞれ、ぜんぜん違(ちが)う意味にとっていたわけです。ことばを使っていたら、こういうことは起こったでしょうか。たぶん、起こらなかったでしょうね。旅の僧が「三千世界(さんぜんせかい)」といったら、これはこの世も含(ふく)めた宇宙のことであって、値段が三文という意味にはなりません。両手の指で丸を作って見せるというだけでは、こういうわけにはいきません。ことばには、いちおう意味が決まっていますから、勝手な解釈はできないわけです。